aki100mac’s blog

日頃考えていること、体験したことをブログしています。

朝の不思議なちから

谷川俊太郎さんが詩を書き、吉村和敏さんが写真を撮影した詩集があります。『朝』といいます。詩集なのですが、不思議な構成をしています。普通に左から読んでいきますと、谷川さんが詩を、その詩に合わせて吉村さんがフォトを撮り、そのフォトの中に谷川さんの詩が印刷されています。逆に右橋からページをめくると、吉村さんが見開き2ページの右h側に撮影したフォトを載せ、左ページにエッセイを載せている、というそんな構成になっているのですね。何とも不思議な本です。
 その詩集を愛読していますが、右から吉村さんのエッセイを読んでいくと最後のページに辿り着きます。そしてそこには刮目すべき文章が載せられています。全体を引用してみます。
朝の不思議なな力
 プリンス・エドワード島の丘の谷間に、ひっそりと隠れるように小さな湖が点在しています。
ある夏の日、僕は早起きをしてその湖へと出かけて行きました。
 闇がとけた静かな湖面には、水鳥のつがいが気持ちよさそうに泳いでいました。やがて東の空から朝陽がさしこむと、あたり一面にうっすらと漂っていた朝靄が、まぶしい金色の帯となって勢いよく舞いはじめたのです。
 その光景は、それまで目にしたどの夏の風景よりも美しく、僕は全身に鳥肌が立つくらい深い感動を味わいました。
朝にはただ美しいだけではない、不思議な力が隠されているような気がしています。
 澄み切った大気の中で、地上の全ての生命が光の恵みとともに再生していく姿を見つめていると、たまらない愛おしさで心が満たされていきのです。どうじに、昨晩まで感じていた心の悩みや戸惑いがフッと消え去り、今日も一日頑張って生きてみようという活力のようなものが漲ってきます。
 夜明け前に起き出し、この地球上のどこにでもやってきうる朝を全身で受け止め、かんじてみる。
 もしかしたらこれが、最も簡単で贅沢なときの過ごし方なのかもしれません。
                          吉村 和敏
素敵なエッセイですね。
私も、ここ田川で、毎朝、早起き鳥よりも早く起きて、今朝はだれが一番最初に鳴くのかなと思い、大阪山に昇ってくるお日様におはようございますと挨拶をして待ちます。その日によって、ヒバリだったり、雀だったりします。
 朝は、寝静まった夜がやがて明け始め、小鳥たちも目覚め、鉄道も目覚め、新聞配達や牛乳配達のクルマやスクーターが街を駆け抜けていきます。
 さてさて、今日も一二が始まろうとしています。今日はどんなことが待ち受けているのでしょうね。
吉村さんのホームページがあります。