今朝は、田川市のお隣の福智町の自宅と糸田町の自宅におられる患者さんのところに訪問診療に行きました。お二人とも、病院にいたときよりも生き生きとしていて幸せそうです。最初の写真は、高度の難聴がある患者さんへの質問票です。これは当院の訪問看護師スタッフが作成したものです。プラスティックの小さいボードに印字しています。私も今朝はこれで会話ができました。夫とは死別していて、妹さんが同じ団地に住んでいて、サポートしています。
食事の世話は妹さんがしてくれています。お風呂はデイサービスで週に2回入れています。医療用麻薬などのくすりの管理もしてくれていて、訪問介護もほぼ毎日入っています。居住している部屋から、外を眺めることができて、今まさに近所の桜が満開になろうとしています。
2番目の写真は二人目の患者さんの自宅の庭に咲く「利休梅」です。患者さんの書斎兼ベッドルームから、この木や他にも植えられている木々を眺めることができます。裏山の竹林から、さーっと風が吹くたびに木々が擦れる音、葉っぱがそよぐ音が聞こえてきます。高齢の患者さんができるだけ自宅で過ごせるように、やはり高齢の奥さんがなんとか頑張っています。北九州に住む娘さんが週末にやってきて寝泊まりしてくれています。当院からは訪問診療が入り、他の訪問看護ステーションからも隔日での訪問看護が入っています。この訪問看護ステーションは当院の前の看護部長が立ち上げていて、私たちとの連携もスムーズです。ご本人は関東に住んでいましたが、定年で当地に帰りました。以来20年近く居住している我が家です。
お二人とも住み慣れた自宅に戻ることができて幸せです。お二人に共通しているのは、独りではないことです。家族が一緒に、あるいはすぐ近くに居住していて、そして訪問看護や訪問介護で、介護や看護のプロの目が入っていてサポートしていることです。いくら兄弟姉妹や子どもや孫がたくさんいても、その方の居住環境から物理的に遠ければほとんど助けにはなりません。そういう意味ではこのお二人は恵まれています。
私が居住しているこの筑豊というところは、老人ホームがとても多く存在しています。家族の助けが十分には得られない高齢者が、何とか生活できるような高齢者施設が多いのです。また自宅や介護施設に訪問している訪問看護ステーションもとても多いです。統計では田川地区は福岡県でも群を抜いて多いのですね。
数十年前炭鉱で栄え、全国から労働者がこの筑豊に移り住みました。炭鉱は閉山し、そこで働いていた人々はここに住み続けました。その結果皆高齢者となり、この地方の行政や福祉のお世話になっています。そういった高齢者をケアするための施設もまた多く存在しています。この先、5年、10年と経過すると、そういった高齢者が多数亡くなっていきます。そうしたときに、現在多く存在している施設や訪問看護ステーションが果たしてどれくらい存続できるのか判りません。
日本の高齢者の分布は、世界の先進国とされている国々の中でも非常に多く、どの国も経験したことのない高齢化が急速に進行しています。その際に、ここ筑豊での事象は必ず参考になると考えられます。少子高齢化がどんどん進むと、遠からず今の日本の生活パターンはパンクするのではないでしょうか。
また、昨今明らかになった、日本のエネルギー事情の脆弱性という問題があります。2026年2月28日にアメリカとイスラエルがイランを突然攻撃し、その結果ホルムズ海峡がイランによって事実上閉鎖されてしまいました。今後よほどのことがない限り、その閉鎖は長引きそうです。すると、日本はホルムズ海峡を経由する石油タンカーにほぼ100%依存しているわけですから、この先の石油資源が使えなくなるおそれが十分にあります。すると、ガソリンを燃料としている車が走れなくなり、軽油を燃料とするトラックが走れなくなり、物流がほぼ完全に止まります、そんな事態にならなければいいのですが。
もしそうなれば、日本の産業や日常生活はほぼ完全に止まります。私たちの生活はどうなるのでしょうね。まさか、また石炭をこれから掘るということにはならないのでしょう。
今日の訪問診療中に、かつて石炭で栄えた地域を巡りながら、そんなことも自然と考えていました。
最後の写真は、診療を終えて病院に戻る途中、糸田町を流れる中元寺川という河川で信号待ちをしている時に撮影しました。河岸に果てしなく桜の木が植えられていて、丁度今満開に近い咲きっぷりです。この川と英彦山川が合流して、遠賀川になります。桜並木と清流を湛える川、どれも日本の美しい景色です。
「国亡んで山河は残る」ということを詠んだ詩人がいますが、この美しい日本を守るためにも、日本は日本らしさを発揮して、世界平和に貢献すべきです。
他国を理不尽に攻撃する行為はどのように言い訳をしても無理がありますね。日本には「人を呪わば穴二つ」という言葉があります。日本が世界の平和に貢献できる道は、やはり不戦の誓いではないでしょうか。刃に頼る者は刃に滅ぼされると思います。
これ以上世界が傷つかないように、大国には自制と自重を求めたいですね。そして、日本は大国に追従するのではなく、大義を説くべきではないでしょうか。そこはヨーロッパの賢人たちと歩調を合わせるのが良いと感じています。
今日、美しい桜並木と清涼な中元寺川を見るにつけ、こんなことを考えていました。




















