糸島 二見浦海岸 或るカフェです。
ここ糸島は、玄界灘に面し、風光明媚で、眺望に富んだ、起伏のある景色が拡がっています。
こんなところに、ホスピスや緩和ケアの図書が充実し、定期的に勉強会が開催できる、「緩和ケアカフェ」があれば理想ですね。私が、以前、ヨーロッパ緩和医療学会から招かれて、学会のサテライトで、世界中の研究者のワークショップに参加したことがあります。
北極圏の、北欧スタイルのホテルといいますか、大学の付帯施設のようなところで、2泊3日、ディスカッションしたことがあります。その施設で、食事もでき、夜は静かに読書ができるライブラリーがあり、バーもありました。そのようなところで、世界の緩和ケアの仲間と、研究以外にも、いろいろな話ができるということが、文化的な豊かさに繫がっている、そんな体験をしました。
研修会2日目の夜、会場の中、フィヨルドの淵でオカリナを奏でていましたら、参加していた研究者の1団から、「素晴らしい、綺麗な音ですね。それは何という楽器ですか?」と尋ねられもしました。貴重な想い出ですね。
日本で、このような施設はありますか?たぶんないですね。
日本では、病院、病院した建物、学会、研究会に特化した建物だけはありますが、ノルウエーのような、寛げて、芸術を感じながら過ごすことのできる、そんな研究施設はないです。
そして、このことが決定的に異なるのですが、基本的に医療は無料で受けられます。
公的な病院が主流であり、プライベートの病院は、少ないのですね。そしてその公的な病院に、緩和ケア病棟が整備されています。
福岡市では、九州大学付属病院、済生会、赤十字、浜の町病院、国立九州中央病院などの公的な病院には、あ、これは私的な大学、福岡大学病院も含めてですが、そこに緩和ケア病棟はありません。他の例えば東京や神奈川県、千葉県など、関東にはあるのですが、何故か福岡市の公的な病院には緩和ケア病棟が全くないのです。九州がんセンターにもありません。
そして、福岡市にあるのは、どれも私立の営業目的の緩和ケア病棟ばかりです。そして、世間で一流とされているホスピスや緩和ケア病棟に全く勤務したことのない医師が、緩和ケア病棟を担当しています。日本緩和医療学会では、近年、認定医や専門医などの称号をそういった医師たちに与えていますが、私は大きな疑問符をつけています。
そもそも、ホスピス、緩和ケアに、学会は必要ないです。
それよりも、ちゃんとしたホスピスでの研修を最低2年から3年は受けていないとですね。私はそんな医師は信用できません。
私がかつて酷い経験をさせられたような医師、エビデンス教の信者たち、彼らには新興宗教に近い感触を持っていますが、そのような医師が蔓延っているような緩和ケアの医師に診られる患者さんやご家族には、どうか誤解しないでね、と申し添えます。あれは、本場のホスピスや緩和ケア病棟とは違うからね。
日本の一般的な病院にある、緩和ケア病棟や緩和ケアチームが行っていることは、私がイングランド、スコットランド、オーストラリアで見聞してきている本物のホスピスや緩和ケア病棟とは、その立脚点、構想がまるで異なります。
やはり、キリスト教のバックボーンがないと、物足りないですね。
身体だけ、心だけの緩和ケアになってしまってはいませんでしょうか。死ぬことについて、その手当は、精神科医師や臨床心理士や、ましてペインクリニシャンの手には負えないのです。
本物を伝えたい・・、との私の想いは高まるばかりです。
ですからどうしてもというならば、私的なものにならざるを得ないのです。
現在の病院に赴任する前に、私の出した契約条件の一つといいますか、願望として、「緩和ケア病棟を建設し、その中に緩和ケアを勉学するための施設を設ける」ことという条項があります。
しかし、その後Covid-19が大流行し、病院もその対応に追われ続けています。
本物の緩和ケアの勉学や研究を行う施設は夢のまた夢ですね。出るのはため息ばかりです。
私が元気に働ける年齢、すなわち後期高齢者にさしかかるまであと数年。
気力や体力はまだまだ十分にあると自負していますので、福岡の地で、ホスピスや緩和ケアについて勉学できる施設、塾をつくるという構想を温め、どこかの時点でそれを実現させたいと思います。
その際、特定の組織に属すること無く、常勤よりも非常勤で、生活の糧を得ながらになるかとは思いますが、まずは①福岡県民であること、②福岡市内ないしは福岡市に近いこと、③私の研究拠点である福岡県立図書館への移動が、クルマを使わずとも可能であること、④近くに工場などなく、かつ雑多な人が出入りせず、クルマの交通量も多くなく、空気が綺麗であること、⑤子どもたち、孫たちが来やすい、またこちらからも出かけやすいところ、とこう考えてきますと、福岡市内から、唐津の手前、糸島や前原あたりまでが候補地に挙がります。
そして、海の見えるところまたはもうほんとに海沿いのところが理想ではあります。
臨床の病院から離れて、ホスピスや緩和ケアのことだけを考えるに相応しい場所。
Est❗Est❗Est❗といえるところが見つかりますように。
本来であれば、東京の国立国会図書館に行きたいところではありますが、Covid-19
のため、また遠方のため、そんなに行くことはできません。代わりに、福岡県立図書館は、相互にライブラリーを補完できますので、有り難い存在です。
これからも宜しくお願いいたします。