aki100mac’s blog

日頃考えていること、体験したことをブログしています。

緩和ケアの臨床は、実践でしか身につきません。

夕方、緩和ケア内科初診外来を延長して行いました。一段落がついたのが、午後6時過ぎ。それから病棟の患者さんのもとへ。朝方、もの凄い頭痛に苛まれていて、苦悶の表情を浮かべていた或る患者さん、がん性髄膜炎や脳圧亢進が強く疑われましたので、スペシャルなメニューの点滴をいくつか開始しました。緩和ケア集中治療の始まりです。
 すると午後には、あれほど強かった頭痛が雲散霧消し、喜んだ患者さんは、病棟を2周歩いたとのこと。「あまり、無理はしないでくださいね。」と話すと、「先生、ありがとう❗」と手を差し伸べてこられました。握手しました。
笑顔でした。こういうときに、「ホスピス・緩和ケアの道に進んで良かった。」とそう思います。
 看護師さんたちも、こんなに効くんだ、と半ば驚き、半ば賞賛、そして、症状がちゃんと寛解する本物の緩和ケアの実践がどれだけ大事か、ということを日々学んでいると思います。
 下の写真は、また別の患者さんの電子カルテです。注射薬のオーダー画面です。
両側の肺にがんの転移があり、がん性気管支肺炎を合併しています。その上に、胸膜転移、胸壁転移もあります。緩和ケアに来るまで、夜間はほとんど眠れていなかったようです。
 ケタラールは慎重に増量していきます。増量のタイミングは、6時間毎に規定し、6時間12時間18時間後に、増量をしていきます。多くの方は、18時間後で、かなり痛みが緩和されるようです。
 まだ緩和ケア病棟はありませんので、現在は地域包括ケア病棟で、緩和ケアの患者さんを受け入れています。そのため、ナースの方たちは、痛みなどの症状が激越で、すぐに緩和しなければならない患者さんを、これまでに数多く経験してきました。
 これからまだまだ、勉強は続きます。
ファイト❗

持続皮下注射の内容は毎日、朝。昼、夕で変更することもしばしばです。

塩酸ケタミンをきちんと使えているか、本物の緩和ケアができているかの指標です。