aki100mac’s blog

日頃考えていること、体験したことをブログしています。

緩和ケア病棟を開設します。

2023年4月1日、田川市立病院に、新たに「緩和ケア病棟」を開設します。これまで、田川地区には緩和ケア病棟がありませんでした。そのため、がん末期の患者さんは飯塚地区や福岡地区、北九州地区などの病院で最期を迎えることが多かったのです。今後は、住み慣れた我が家に近い田川で、最期まで暮らすことが可能になります。 
緩和ケア病棟は、当院最上階の6階西病棟を改築して作りました。2つの特別室と、5つの有料個室、9つの無料個室があります。どの部屋も快適に生活できるように設計されています。窓からは田川の風景が望めます。
エレベーターを降りたロビーに、広い談話室があります。ソファが配されており、居心地の良い空間です。ピアノが設えてあり、コンサートなど、いろいろな行事や毎日のお茶会などが催されます。和室と洋室の2つの家族室を用意していますので、遠方から来られたご家族に寛いで頂けます。
また、広い介護浴槽と一般の浴槽があり、患者さんのADLに応じて入浴を楽しむことができます。田川の街並みを望める広い多目的室があります。ベランダには観葉植物を配します。その隣には広い図書コーナーがあり、ソファで寛ぎながら読書できます。 
緩和ケア病棟には無料Wifiを用意していますので、パソコンやタブレット端末、スマーフォンで、ネットに接続できます。また、これから緩和ケア病棟のボランティアを募集しますが、採用されたボランティアのための控え室も準備しています。
緩和ケア病棟に入る目的は人により様々です。余命が短いと推測される患者さんの場合、看取りのための入院があります。介護されているご家族のための一時的なレスパイト入院もあります。在宅での緩和ケアを希望される患者さん、ご家族のために、当院からの訪問看護と訪問診療を行っていますが、そのための病状評価のための短期間の入院もあります。また、余命が月単位以上見込め、病状が重篤ではない場合、特別養護老人ホームなどの施設での療養に向けた調整のための入院もあります。目的は様々ですが、利用して頂く皆さまの身体的な苦痛や心の苦痛をできるだけ和らげ、ご家族も含めて穏やかに生活していただけるようにします。      

緩和ケアチームのスタッフ。緩和ケア病棟にて。

緩和ケア病棟に穏やかな時間が流れ、ほっと寛いでいただき、「ここに来て良かった。」と思って頂けるように心を配って参ります。どうぞこれから宜しくお願いいたします。
2023年1月 吉日 緩和ケア内科 小早川 晶