aki100mac’s blog

日頃考えていること、体験したことをブログしています。

都会のスタイリッシュなホテルより、田舎の天然温泉が湧き出る旅館が好みです。

天神ビッグバンの目玉、大名小学校の跡地開発です。大名ガーデンシティの中に燦然と建っています、この上層階に1泊10万円也の超高級ホテルが、もう間もなく開業します。

大名ガーデンシティに聳える超近代的な建物

 同じ名前のホテル、私たち夫妻は、香港で、そうですね今から25年前くらいにそこでアフタヌーンティーセットを戴いたことがあります。

 古式ゆかしいそのホテルで、太平洋戦争当時、英国軍が降伏式で調印したことがあり、その当時の写真が壁に填め込んでありました。

 先頃、萩市の「長州ファイブ」の展示を見て、Netで同名の映画も観ましたが、150年前の日本人にしてみたら、本家を倒した、その意気が伝わるモノクロ写真でした。

 でもね、戦争はね、どんな理由があるにせよ、いけません。

 戦争は古来から絶えることはありませんが、旧約聖書の記者、コヘレトは「虚しい」と断じています。そして、新しく見えるものも「そのことは昔もあった・・」とも。

 またバベルの塔の物語、あれを単なる物語として終わらせるのではなく、人間の業の深さ。思い上がっている人間への神の鉄槌だと思わなければと思います。

「現代のバベルの塔」を見て、そんなことを考えていました。

私はこんな高層ホテルよりも、このごろ泊まった萩の「萩本陣」を好みますね。

なんと言っても、天然温泉が渾々と湧き出でていて、温泉施設の見事さ、あれは古代ローマテルマエ・ロマエに匹敵すると思います。建築家が、あの映画を観て、あれをソックリ創ったのではないかと思いましたもの。

 天然の、柔らかなお湯、氷河期の地下水が、マグマに温められ、萩沖の海水と混じり合い、地球の息吹が感じられる、そんなお湯でした。

 内装も天然の木の匂い、温もりがそこかしこに感じられて、贅沢な空間です。そしてホテルの食事、夕餉も朝餉も、これ以上はないでしょうと言うくらい、美味しかった。

 働くスタッフ、ホスピタリティに溢れていて、オジさんたちが生き生きと働いていました。

このようなホテル、私は他に知りません。

 何も、このホテルの回し者ではありませんがね。私は、病院関係者に、このホテルに泊まって、そのホスピタリティを全身で感じてほしいな、そう思います。

 翌週から、その病院で、本物のおもてなし精神が宿り、患者さんが押しかけてくることになります。

 本物を目ざすには、まずその本物を体験することから始めましょう。

ホスピス・緩和ケアも、学会なんかで難しい顔をして、不毛な議論に時を費やすのではなく、このようなホテルで、2泊3日くらいして、温泉に浸かりながら、和気藹々と「ホスピタリティ」について、体感したほうがいいと思いますよ。

 私がヨーロッパ緩和医療学会の研究会に招かれて、トロンハイムの北数百キロのところにある、氷河のほとりで体感したあの素晴らしい宿泊施設、ああいったところで研究者がお互いに胸襟を開いて、生活を共にしながら、活発で建設的なやりとりをするのが、私はいいなと思いました。

 日本だったら、温泉でしょ。テルマエ・ロマエですよね。

箱物の研究所や会議をするためだけの「国際センター」など、日本ではそんなものしかありませんが、私は、あのノルウェーの野外劇場のようなところで最後の締めくくりの討議が行われたあの感動的な主催者のスピーチが忘れられません。日本から行ったもう一人の研究者、現在は琉球大学の緩和ケア教授になっていますが、彼も感動したと言っていました。

 日本は、こういった点で、まだまだヨーロッパに遅れをとっています。折角日本には平安の世から続く連綿とした温泉文化があるのですから、学問の研究と温泉文化を結びつけたら、もっと世界から優秀な人々が日本にやってくるのですがね。

 私は萩の温泉に浸かりながら、そんなことを考えていました。

萩本陣の露天風呂です。きもちの良い気が流れています。

萩本陣の内湯です。日本庭園を眺めながら、極上のひとときを味わえます。